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1月25日のまにら新聞から

呪縛からの解放

[ 708字|2010.1.25|社会 (society)|新聞論調 ]

前大統領の立候補資格

 中央選管はエストラダ前大統領の次期大統領選への立候補資格を承認し、これにより前大統領は資格問題をめぐる呪縛(じゅばく)から解き放たれ、2001年に奪われた政権の奪還へ障害がなくなった。有権者は5月10日、躊躇(ちゅうちょ)なく前大統領を選ぶことができる。

 前大統領の選挙活動にかかる最大の暗雲は、現政権が前大統領を政治の場で公正、公平に戦わせるかどうかを国民が疑っていることである。前大統領の最も有力な武器は大衆を取り込む力だ。一方、投票日までの不安材料は土壇場での立候補失格。自由党と国民党はそろって前大統領の候補失格の可能性を国民に訴え続けている。彼らにとり前大統領は依然、政治的脅威である証明にほかならない。

 前大統領は中央選管の決定を歓迎、「全力で選挙活動を展開する」との意気込みを表明。候補失格懸念が付きまといながらも、彼は世論調査でしぶとく3位の座を維持し続けている。

 資格問題が完全解決すれば、前大統領が出馬を取り止め、他候補の支持に回るという憶測も消えてなくなるだろう。世論調査で上位に着けている2人が流したとみられるそのような憶測は、前大統領に対する妨害行為だ。前大統領が公金での不正蓄財をしていないのは明らかなこと。

 また、前大統領が出馬することで、9年間の暗黒時代後の新リーダーを選ぶ次期大統領選はがぜん、面白くなる。

 そのためにも有権者の賢明な選択が必要不可欠。そして前大統領が、妨害行為を受けず国民の前に姿を現せば、それは次期統一選の成功を保証する一助となる。

 有権者が5月に賢明な選択をすれば、アロヨ大統領の陰謀が日の目を見ることはない。(22日・トリビューン)

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