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1月18日のまにら新聞から

高給奪う議員たち

[ 726字|2010.1.18|社会 (society)|新聞論調 ]

長期欠席問題

 下院議員は毎月の給料や手当などに加えて、1人当たり年間7千万ペソの地方開発補助金(通称ポークバレル)を手にする。この高給取りたちは、国会開会中は国民のための法作成に従事すべきではないか。

 多くの公共機関事務所には「15︱30」と呼ばれる職員たちがいる。「15」と「30」は給料日を指し、毎月給料日の2日間だけ給料を受け取るだけために出勤する職員たちを意味している。ビサヤ地方西ネグロス州選出のレデスマ下院議員=国民党=は、その代表的な例だ。下院議員全体の資産家ランキングで第3位につける金持ちである同議員は、第14期国会の2年半の会期中、数えるほどしか国会に出席していない。

 国会議員としてよりも有名女優アスンタ・デ・ロッシさんの夫として著名なレデスマ議員は約8年前、同議員の子ども2人身代金誘拐事件で、身代金の返還を求めたことでも物議を醸した。昨年のクリスマスには、下院事務局にボーナスと追加手当、13カ月目の月給の支払いを要求し、同事務局の担当者が不在のため、失敗に終わった。

 ノグラレス下院議長はレデスマ議員に対し、給料支払いの引き換えに、残りの会期中に少なくとも2日間出席するよう通達した。同議員が最後に国会に出席したのは昨年7月の施政方針演説。ポークバレルと給料受領以外の選挙選出者の職務を知らないらしい。同議員は国会出席が職務遂行と同意語ではないと弁明するが、法案作成に関与した形跡は同僚も把握していない。あまりの長期欠席で、レデスマ議員が深刻な病気を患っているとのうわさが立ったほどだ。

 下院議員の職務は立法であり、下院は仕事をしない議員への給料支払いを止める規則作りに着手すべきだろう。(16日・スター)

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