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7月11日のまにら新聞から

自公、改選過半数確保へ 改憲勢力3分の2うかがう

[ 1066字|2022.7.11|政治 (politics) ]

第26回参院選は10日午後8時に投票が締め切られた。自公が改選124議席の過半数確保の見通し(時事)

 第26回参院選は10日午後8時に投票が締め切られた。直ちに開票され、深夜にも大勢が判明する。選挙期間中に起きた安倍晋三元首相銃撃死亡事件の衝撃が残る中、時事通信の出口調査によると、自民、公明両党が改選124議席の過半数(63)を確保する見通し。立憲民主党は改選23議席を維持できるか微妙な一方、日本維新の会は改選6議席から伸ばしそうだ。

 32ある改選数1の「1人区」は自民党が優勢。公明党と合わせ、岸田文雄首相(自民党総裁)が勝敗ラインに掲げた非改選を含む過半数維持に必要な55議席に届くのは確実となっている。

 自公両党と憲法改正に前向きな維新と国民民主党で、改憲発議の条件となる3分の2(166議席)を確保する計82議席の獲得をうかがう。 

 立憲民主、共産、国民各党は改選議席を割り込む可能性が出ている。一方、維新は大阪で2議席確保が濃厚。比例代表にも勢いがあり、議席倍増が視野に入っている。

 今回の参院選は、岸田首相の下で行われた昨年10月の衆院選以来となる大型国政選挙。ウクライナ危機を受けた物価高対応、安全保障政策の見直しなどが争点となった。選挙戦最終盤に遊説先で安倍氏が銃撃を受けて死亡するという極めて異例の展開をたどった。

 参院選は改選124(選挙区74、比例50)と、非改選の欠員補充の計125議席をめぐり、選挙区367人、比例178人の計545人が立候補した。参院の総定数は今回から3増えて248。

 ▽「初陣」立民・泉氏に厳しい結果

 立憲民主党は参院選で改選23議席を維持できるか微妙な情勢で、昨年11月に就任した泉健太代表の「初陣」は厳しい結果となりそうだ。国民民主党も苦戦しており、従来の野党共闘の枠組みから離れて与党に接近した玉木雄一郎代表の判断も問われる可能性がある。

 今回の参院選では32ある1人区全てで候補を一本化する野党共闘が崩れた。与党に近づいた国民とこれに反発する共産党のあつれきが拡大したことが大きい。結局、立民、共産両党の候補一本化は11選挙区にとどまり、共闘効果は薄れた。

 一方、立民内では、選挙戦最終盤に自民党の安倍晋三元首相が銃撃を受け死亡したことについて「接戦区で自民党に有利に働いた」(ベテラン参院議員)との見方も出ている。

 国民は野党共闘に加わらず、1人区での積極擁立を図ったが、議席を獲得できるかぎりぎりの情勢だ。比例代表でも改選議席を維持するのは厳しく、玉木氏が今後の党運営について見直しを迫られる局面もありそうだ。(時事)

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