「日刊まにら新聞」ウェブ

1992年にマニラで創刊した「日刊まにら新聞」のウェブサイトです。フィリピン発のニュースを毎日配信しています。

マニラ
37度-28度
両替レート
1万円=P3,670
$100=P5,750

12月21日のまにら新聞から

台風22号の死者375人 中部ビサヤが170人で最多

[ 1144字|2021.12.21|気象 災害 (nature) ]

国家警察は、台風22号の死者数が20日午後6時点で375人になったと発表

台風オデットで被害を受けた州庁舎を視察するレニー・ロブレド副大統領(写真中央右)=19日、ディナガットアイランド州サンホセ町、副大統領事務所提供(AFP=時事)

 国家警察は20日、台風22号(比名オデット)の同日午後6時時点の被害報告書を公表、死者数は375人に上った。地域別で最も犠牲者が多かったのは中部ビサヤの170人。次いでカラガ167人、西部ビサヤ24人、北部ミンダナオ7人、東部ビサヤ6人、サンボアンガ半島1人。死者のほかに行方不明者が56人、負傷者が500人報告された。一方、国家災害対策本部(NDRRMC)は同日、死者数を58人と発表。警察発表については「速報値と受け取っている」とした。

 警察報告書によると、20日時点で停電中のエリアは全3178カ所。うち2976カ所が東部ビサヤ地域、121カ所は中部ビサヤ地域だった。また、通信網が機能していないエリアは全1898カ所。うち1162カ所はダバオ地域、615カ所は東部ビサヤ地域だった。

 台風の影響でキャンセルされた航空便は32便、空港や港で立ち往生した乗客は1013人に上った。洪水に見舞われたエリアは西部ビサヤで32カ所、中部ビサヤで39カ所。

 政府は救助隊員2603人を派遣。行方不明者の捜索などに当たっている。

 20日の英字紙スター電子版によると、社会福祉開発省(DSWD)は20日午前時点で45万2307世帯180万5005人が台風の影響を被ったと発表した。避難所に身を寄せているのは10万9914世帯43万8359人。その他にも5万8527世帯19万3043人が避難場所を探しているという。

 また同省は、台風22号の強風と洪水の被害で、2万102棟の家屋が全壊、3万4681棟が半壊・一部損壊していると報告した。

 ▽大統領が被災地訪問

 ドゥテルテ大統領は19日、ボン・ゴー上院議員らと共にセブ、ボホール、北スリガオ、ディナガットアイランド、南レイテ5州の各被災地を視察した。

 大統領は各被災地で自治体の首長や被災者と面会し、被害状況確認の後、各担当相に矢継ぎ早に指示を出した。デルロサリオ居住都市開発相には今回の台風で住居が損壊した住民への居住地支援を、クシー・エネルギー相には民間のガソリンスタンドの復旧を促すよう指示した。

 バウティスタ社会福祉開発相には①被災地への救援物資の供給・輸送支援②避難所への即時かつ安定的な水と食料の供給③24時間以内のテント、防水シートの支給④被災者を雇用し、賃金と食料を供給する復興プログラムの実施──を命じた。

 ディナガットアイランド、北スリガオ両州の島しょへの救援物資の輸送には比海軍、沿岸警備隊(PCG)の艦船投入を決定。PCGの巡視船BPRアンパグロは海上病院として派遣される。

 農務省は台風で被害を受けた農民・漁民に対し4億4510万ペソの支援予算を確保している。(竹下友章)

気象 災害 (nature)