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2月2日のまにら新聞から

説明責任果たせ マギンダナオ交戦

[ 705字|2015.2.2|社会 (society)|新聞論調 ]

 アキノ大統領はミンダナオ地方マギンダナオ州で発生した交戦について、モロ・イスラム解放戦線(MILF)が、イスラム急進派「バンサモロ・イスラム自由戦士」(BIFF)と国家警察特殊部隊との戦闘に加わったとの事実を認めた。

 BIFFが政府に対して、危険な襲撃を仕掛けたり、略奪行為を行うたびに、国民は「あの集団はMILFの分派である」と信じ込んできた。MILFは襲撃事件を起こし続けるBIFFを悪党集団と見なしてきた。もともとはMILFもモロ民族解放戦線(MNLF)の和平合意に反発して分派した集団なのだが。

 情報収集を進めてみると、MILFは政府と停戦状態にあり、BIFFとは同盟関係にないことがテロリスト掃討作戦実行の決断に影響したようだ。

 400人近い特殊部隊はBIFFと対峙(たいじ)することは想定していただろう。しかし、MILFが悪党集団の支援をするとは予期してはいなかった。

 MILFにとって、BIFFとは何者なのか。MILFが国民から和平実現への支援を取り戻したいならば、この質問に誠実に答えなければならない。BIFFがMILFの一部隊であると疑われたことは今回が初めてではない。1990年代に身代金目的の誘拐事件を起こした犯罪集団も、MILFの支援を受けていたとの疑惑があった。

 BIFFは指名手配されたテロリスト2人をかくまっていたという。なぜ、MILFはテロリストを支援する集団を助けたのか。多くの警官が死亡する惨事を乗り越え、和平交渉を継続するために、MILFの指導者はきちんと説明責任を果たすべきだ。二枚舌を使って、もたらされた平和など長持ちはしない。(30日・スター)

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