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11月4日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 768字|2013.11.4|社会 (society)|ハロハロ ]

 この国についての得難い私の知恵袋の一人、モンテマイヨールさんから最近、Eメールが届いた。内容は母校、某私立大の同窓会報に掲載された旧友の寄稿文。今回は最近の相次ぐ災害に関連してか、「Savings」(貯蓄)が課題。次のような一文で始まっていた。「我々が物乞いして育った社会は傷ついた文化だ。災害時、我々は海外の国々に物資の救援を要請したが、日本人は自力で立ち直れると、救援を辞退した。日本では誰もが災害からの復旧に全力を上げたのだが、我が国では大半の国民が救援物資を待ちこがれ、最悪の場合は救援物資を盗んだ」

 他の寄稿文はその原因としてスペインの植民地支配を上げる。「フィリピン人は300年以上もスペインの配下にあったことがすべての面で大きな影響を受けている。それまでのようにせっせと働いても、収益の大半はスペイン人と植民地の支配者に持っていかれた。それが理由で失った勤労意欲は、未だに戻ってこない。フィリピンの家庭の貯蓄率は他のアジアの国々と同一ではない。中国、日本、インドなどでは収入の25〜40%だが、フィリピンはラテンアメリカの国々と同様、0〜15%でしかない」

 「貯蓄率だけでなく、フィリピンはラテンアメリカの国々と似ている。儀式は重んじても、カトリックは名ばかりで、都市部の人口が過剰なのもラテン風。我々はアジア人というよりもラテン系だ。カネ遣いが荒い。女子店員らも、残り少ない財布の中のペソは貯金するよりも化粧品や携帯電話代に充てている…」。「台風などで自宅が被害に遭うと親類の家に押し掛け、スッカラカンになると政治家にカネと仕事をせがむ。政治家は選挙の際の一票がほしいので要望に応じるが、そのカネは自分のポケットからでなく、よそから調達しなければならない」。最近の世情をみるとうなずける話だ。(濱)

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