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5月9日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 594字|2011.5.9|社会 (society)|ハロハロ ]

 先日、厚生労働省が実施した今年の看護師国家試験に合格した外国人受験者の報告会があると聞いて参加した。経済協力協定(EPA)に基づいて2008年から始まった看護師候補者の受け入れ事業は4年目に入ったが、今年はインドネシア人15人、比人1人の計16人の候補者が合格した。報告会には比人候補者は参加しなかったが、インドネシア人合格者7人が出席、サポートした施設関係者と一緒に苦労話を披露した。

 報告会で合格者がそろって強調したのが国家試験に向けての並々ならぬ意欲だ。医療施設で働きながら受験勉強を続け、合間に電子辞書を片手に学習塾に通う。帰宅後は連日、模擬試験問題に挑戦し、1日150問題近くを消化していた合格者もいた。悩みがあると教育担当に泣きながら打ち明け、合格に向けた努力を誓い合ったという。会う人ごとに「頑張って」と声を掛けれれるので、日本語のあいさつ言葉と思っていたと笑わせた。

 難解な日本語出題は外国人に不利との批判を受けて、今年から漢字にふりがな(ルビ)をふったり、病名に英語表記を併記するなど改善策が取り入れられた。見直された改善出題数は240問のうち194カ所だが、症候や基本的看護、医療用語などは日本語表記だけだった。「低栄養状態、潰瘍、拡張期雑音、ばち状指、クリニカルパス、脳ヘルニア、鼻閉感」など説明を受けないと一般の日本人でも手におえない。(富)

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