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11月24日のまにら新聞から

OFWに保護策を

[ 694字|2008.11.24|社会 (society)|新聞論調 ]

就労禁止令の解除問題

 最近数カ月、米軍の増強などでやイラク情勢は改善されたと報じられている。情勢好転とともに比政府は、二〇〇四年にイラク国内で比のトラック運転手が誘拐された事件以来、実施してきた海外就労者(OFW)の同国派遣禁止令の見直しを求められている。戦争で疲弊したイラクでは今後数カ月の間に千五百万人の建設労働者が必要になるという。

 派遣禁止令を解除するかどうかの決断は慎重に行わなければならない。比人は政府の禁止令を無視して近隣諸国からイラクへ入国している。同国での給与がリスク含みとはいえ極端に高いためだ。イラクで働くOFWは一万五千人と推定されている。誘拐された比人運転手も高額の給与に誘われてバクダッド入りし、事件に巻き込まれた。

 この事件のため、アロヨ大統領は、人道支援派遣部隊の撤収を余儀なくされた。運転手が解放された後、大統領はあえてイラクに入国しようとする比人たちに対し、次の誘拐被害者が救出されたトラック運転手同様に好運に恵まれるとは限らないと警告した。政府の禁止令にもかかわらず、さまざまの職種で就労するイラクの比人は増加を続け、中でも米軍の基地で雇用されるケースが多い。確かに給与はいいかもしれないが、果たして安全なのだろうか。

 ソマリア沖ではたくさんの比人船員が拉致されているが比政府はこれに対処できないままだ。これまでに百二十七人の船員が身代金目的で拉致されている。

船舶会社は多額の身代金を支払い、ソマリア沖では誘拐・乗っ取りが大きなビジネスとなっている。

 禁止令を解くなら政府は職を求めてイラン入りするOFWに安全対策をなすべきである。(20日・スター)

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