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11月17日のまにら新聞から

いまこそ辞任を

[ 681字|2008.11.17|社会 (society)|新聞論調 ]

大統領不支持率

 民間調査機関の世論調査でアロヨ大統領への不支持率が依然、高止まり状態が続いている。大統領を信用できないとしているのは全体で五一%、首都圏では六五%に上った。支持基盤としているビサヤ地方でさえ、四三%が大統領の業績を不満とし、五三%が信用できないとしている。大統領がいくらどんな努力をしようとも事態は好転しないだろう。

 支持率は、国家元首となれば、重要性が増す。支持率が低いということは、大統領の言動が多くの国民に受け入れられていないことを意味するからだ。貧困緩和対策に尽力しているというが、貧困層は彼女を信じない。国民の多くは、彼女を史上、最も汚職にまみれた大統領と見ているのだ。ミンダナオ和平、経済活性化のために改憲が不可欠とする大統領の主張もさらなる任期延長への策略としか考えられない。

 今回の訪米にしても、政府は国連の会議が重要だと強調するが、国民の目には「オバマ次期米大統領との記念撮影を目的にした公金の無駄遣い」と映っている。

 また、弾劾申し立てに大統領は介入しないと発言しても国民は信用しない。過去の経験から下院の与党勢が大統領の意向に沿って毎回、弾劾つぶしにかかることを知っているからだ。大統領は最高裁審理にも介入する。彼女が否定しようとも国民は最高裁判事の大半が大統領の操り人形と信じている。

 大統領は、自身を信用しない国民を持つ国家をどう効果的に統治するのか。そもそも国家は彼女に統治されてはいないだろう。今こそ、大統領が退くべき時だ。彼女は国民に嫌われてるばかりではなく、信頼もされていないのだから。(13日・トリビューン)

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