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9月6日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 521字|2004.9.6|社会 (society)|ハロハロ ]

 三年ぶりに一週間ほど日本に戻った。すさまじい勢いで省力化が進んでいる。ビジネスホテルのチェックインで二度驚かされた。何と支払いの相手は機械だった。さらに、部屋のカギ替わりに領収書に暗証番号が記されていた。従業員は「深夜お帰りの際もこの番号を玄関入口左のプッシュホーンに押して下さい。どうぞお忘れにならないように」とくぎを刺した。

 思わず噴き出してしまったのは入浴時。東南アジア各地の宿で慣れ親しんだ小型の固形石けんが見当たらない。「フロントに電話を」と焦ってみたものの、携帯電話が普及したためか、今度は部屋に電話器がない。仕方なく浴室に戻ってみると、洗面台の左上に液体ソープ入りの器が備え付けられていた。「これではまるで今浦島」と腹の底から笑いがこみ上げてきた。

 帰比して間もなく最南端の島、ミンダナオのなじみのホテルに投宿した。予約なしに、寝不足の目をこすりながら午前七時すぎにチェックイン。フロント係は当然のように入室を許し、二時間仮眠できた。何から何まで規則づくめの日本とは大違い。相変わらずシャワーからはまともに温水は出なかったが、それでも非管理社会フィリピンのぬくもりが伝わってきた。ますます日本が遠のいて行く。(康)

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