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7月26日のまにら新聞から

国家の安定を問う

[ 665字|2004.7.26|社会 (society)|新聞論調 ]

選挙異議申し立て

 提出期限ぎりぎりになって、野党の正副大統領候補だったポー氏とレガルダ前議員がアロヨ大統領とデカストロ副大統領の勝利に挑戦する異議申し立てを行った。この最高裁にへの申し立ては、当選後初の大統領施政方針演説を控えて、また政治への不透明感を持ち込む形となった。

 大統領はトラック運転手のアンヘロ・デラクルスさん解放がもたらした国内的な賞賛に浴している。だが、イラクからの部隊撤退を一時は歓迎した左翼グループが施政方針演説に向けて問題を引き起こそうと大衆動員を図っている。大統領の人質解放に向けた努力を賞賛した大衆も、選挙で一体自分は誰に投票したのか、と自問し始めている。他ならぬフェルナンド・ポー・ジュニアのことである。

 予想されてはいたものの、今回の異議申し立てによって、国家として耐えられないような政治的不安定に陥る可能性がある。大統領選の公式集計の結果が、投票後、一カ月以上たってから宣言されたものの、その得票差は国民を満足させるにはあまりにも小さかったため、国民の間に断絶を生み出した。イラクでの人質事件が解決した今、比人たちは野党による選挙結果に対する異議申し立てにすべての関心を集めることになった。

 この政治不安定を払しょくする最良の方法は、この異議申し立てを出来るだけ早く、また国民の信頼が持てるように解決することである。政府は選挙不正に関するすべてのうわさを払しょくするこの機会を歓迎するべきである。今回の異議申し立ては、政権の合法性が問われているだけでなく、国家の安定が問われているのだから。(24日・スター)

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