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11月29日のまにら新聞から

全ての人にトイレを 屋外排泄ゼロへの挑戦

[ 763字|2019.11.29|社会 (society)|新聞論調 ]

 宇宙探査とインターネットの、この時代に、フィリピン人の4・5%が衛生的なトイレなしに暮らしているという。国内で470万人以上が野外で排泄している計算になる。2017年の国家人口統計健康調査でも、24%の国民が未整備の衛生設備を使用していることが示された。

 劣悪な衛生状態は、公衆衛生と栄養状態、さらに自然環境や教育、生産性に対しても脅威になると保健官僚は言う。また、女性が家の外で排泄せざるを得ない地域では、性暴力のリスクが高まるという。これは比特有の問題ではない。国連は、世界人口の半分以上の42億人が安全な衛生設備を使用できていないと見積もっている。

 保健省は、11月19日の世界トイレデーを記念して、マニラ市トンド地区バセコの貧困地域で「持続可能な公衆衛生のためのフィリピンアプローチ」事業を立ち上げた。マニラ市にはトイレなしで暮らす不法占拠住民が多い。保健省はこの事業を通し、25年までに屋外での排泄行為ゼロ(ZOD)の達成を目指している。

 全国の4万2千超のバランガイ(最小行政区)のうち、11%にあたる4625のバランガイしかZOD認証がないことを考えれば、野心的な目標だ。これは今年の世界トイレデーのテーマ「全ての人にトイレを:誰も取り残さない」に合わせたものだが、保健省は目標の達成に向けて、地方自治体も役割を果たすことを望んでいる。

 保健省によれば、トイレ等の設置は、政府の防疫プログラムを補完するものでなければならない。多くの病気は、衛生的なトイレで排泄した後に手洗いをするだけで防げる。衛生に配慮しない行動は、子どもの発育にも影響を与える。

 衛生設備の重要性は、専門家が長らく主張し続けてきたことだ。25年の屋外排泄ゼロにむけ、省庁や分野を超えた協働が求められる。(24日・スター)

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