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12月23日のまにら新聞から

偉大な解放者から学べ

[ 699字|2013.12.23|社会 (society)|新聞論調 ]

マンデラ氏追悼

 真の英雄、現代の最も偉大なリーダーの一人、歴史の巨人、希望の指針、最後の偉大な解放者、理想を説く人、人間の鑑。

 これらは、世界中の指導者がネルソン・マンデラ氏を評した言葉だ。マンデラ氏は27年間を獄中で過ごしながらも、南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離)政策を廃止へと導いた。

 フィリピンは彼の人生から多くを学ぶことができる。「彼の最大の遺産は、敵意を持たず、和解することを説いたことだ。そして実際に南アフリカの白人と黒人の間に和解を実現させた。彼は寛大で慈悲深い人物だった」。南アフリカ大統領時代に、マンデラ氏と人種間の和解を実現させ、一緒にノーベル平和賞を受賞したフレデリック・デクラーク氏は彼を評してこう語った。

 比の指導者もマンデラ氏が下してきた決断から多くを学ぶことができるはずだ。同氏と南アフリカの民族解放運動を展開し、2003年に死去したウォルター・シスル氏は生前、マンデラ氏の人柄を「一度決めたことはかたくなに守り通す。彼は真実を追求する情熱と、理解しようとする心を兼ね備えていた。真実と理解に基づいて、彼は積極的に行動した。彼は行動する人だった」と説明した。

 フィリピン人は、マンデラ氏が獄中で読み、彼の発想と行動の原点となった詩に思いをはせることもできるだろう。

「運命に打ちのめされ、血を流しても、決して屈服はしない。激しい怒りと涙の彼方に、恐ろしい死が浮かび上がる。だが、長きに渡る脅しを受けてなお、私は何ひとつ恐れはしない。私が運命の支配者。私が魂の指揮官なのだ」。英国の詩人、ウィリアム・ヘンリーの詩である。(17日・ブレティン、アティ・リナ氏)

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