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9月17日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 641字|2012.9.17|社会 (society)|ハロハロ ]

 国際会議は首脳たちが己の存在感を国内外に誇示できるまたとない場で、先のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議も例外ではなかった。その中、中国との首脳会談実現をめぐっては東南アジア域内諸国間で「明暗」が分かれた。南シナ海で領有権問題を抱えるフィリピンは中国との首脳会談を果たせず、一方、同問題に起因する域内亀裂の拡大防止に動いたインドネシアは会談実現にこぎ着けた。握手をするイ中両国首脳の写真がジャカルタ主要紙の一面を飾った。

 今回の首脳会議でもう一つの注目点が来年以降の同会議開催国の順番。13年インドネシア、14年中国、そして15年がフィリピンと決まった。イ比両国での開催はそれぞれ19年ぶり。その上、両国とも開催翌年が次期大統領選の年に当たるため、おのずと会議の成果を競い合うことになる。ちなみにイ比両国に挟まれた1995年の首脳会議開催国は、世界第二の経済力を誇っていた日本。中国に第二の座を奪われた日本に今、当時の勢いは見られない。

 インドネシアで言うと、スハルト同国大統領が議長を務めた1994年の首脳会議は、優雅な建築美で知られるボゴール宮殿で開かれた。宮殿前庭で各国首脳が見守る中、政権掌握の絶頂期にあった大統領が、会議の成果を誇らしげに発表した姿を今も思い出す。この拙文が掲載される同じ週、私は家人と共にジャカルタ南方約60キロのボゴールを訪れる。世界有数の植物園に隣接する白亜の宮殿を眺めつつ、今は亡き同大統領の往時を追想しよう。(道)

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