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7月16日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 583字|2007.7.16|社会 (society)|ハロハロ ]

 雨期で「マニラ独身」にとって洗濯がますます面倒くさくなる。安っぽいが、高層コンドミニアムの部屋を借りており、ベランダで洗濯機を回す。はるかにパッシグ川の蛇行を見下ろして気持ちが良いはずなのだが、ベランダの水はけが悪い。水道の蛇口がある側が低くて、排水口がある方が高くなっている。まさかと思うだろうが本当だ。洗濯のたびに腹を立てつつ、モップで水を掃かねばならない。

 日本の新聞を読んでいたら、高松塚古墳で平面加工のために「水準器」が使われた跡が見つかったという記事があった。水を張った容器で水平ラインを調べ、それを基準に床面を造ったのだという。千三百年も前からある技術が現在のフィリピンにないわけでもあるまいに、ちゃらんぽらんと言うべきか、手抜きと責めるべきか。我が家のベランダは用途に真っ向から歯向かう仕様になっているのだ。

 ところが人の心では、最近の日本人の方が中庸を欠くどころか、我がベランダ並みに常識に歯向っている。フィリピン人の女性と結婚し、この国に定住したのは良いが、連れ子を折檻しすぎて死なせてしまった。そんなニュースのすぐ後、東京都内でむずかる幼児をうるさいと投げ飛ばし、ひん死の重傷を負わせた父親が逮捕された。まさに世の常は逆転。親が子を殺し、若者が年寄りを殺して金を奪う。そんな末世的現象を輸出するのだけはやめてほしい。(水)

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