Logo

02 日 マニラ

31°C24°C
両替レート
¥10,000=P3,830
$100=P5,540

02 日 マニラ

31°C24°C
両替レート
¥10,000=P3,830
$100=P5,540

心に残る無償の愛 フォックスさん出国

2018/11/4 社会

 英国の有名バンド、ビートルズがフィリピンを去る時のことを覚えている人もいるだろう。彼らは当時のマルコス大統領夫妻から夕食の誘いを受けたが、すげなく断ったため、空港に押し寄せたマルコス支持者から暴言を吐かれるなど忘れられない見送りを受けたのだ。

 今回、オーストラリア人修道女のパトリシア・フォックスさん(71)との別れでは、そのようなことは起こらないだろう。しかし彼女は、ドゥテルテ大統領が入国管理局に捜査を命じた際、当局から圧力を受けた。見た目に傷はなくとも、彼女の心には深い傷が残っているだろう。

 フォックスさんは27年前、比で最も貧しく、地位が低く、弱い人々のために働くという理念を持って、比をすみかと決めた。彼女は貧しく辛い生活に身を置き、時に権力者との対立を強いられた。

 特に大統領は「くさい口で政府をののしり、比の独立性を脅かしている」と激しく批判し、「逮捕してやる」などと脅した。彼女がそこまで責められるのは、貧困層や先住民族に苦難を強いる強権的な政府に勇敢にも疑問を突きつけたからかもしれない。

 フォックスさんは「状況が変われば戻ってきたい」と話していたが、高齢のため難しいだろう。けれども政府によって虫のように追い払われる彼女に、ぜひ受け取ってほしいものがある。それは彼女の奉仕と無償の愛に感銘を受けた比人の心からの感謝だ。彼女の姿は、苦しむ隣人に助けの手を伸ばすときの手本となって、比人の良心と記憶に残り続けるだろう。(3日、インクワイアラー)

おすすめ記事

社会福祉開発相と観光相がトップ2 閣僚評価に関する世論調査で

2025/6/2 社会 有料
有料

エドサ再整備工事また延期 7月に、大統領が発表

2025/6/2 社会 有料
有料

遠隔医療で医療アクセス向上へ ネグロス島の山間部や離島住民を支援

2025/6/2 社会 有料
有料

父から母と娘へ、娘から孫に引き継がれた日本人性 フィリピン残留二世たちが生きた戦後80年⑧

2025/6/2 社会 有料
有料

「ドライバー偽装強盗許さず」 業界団体と警察が確認活動開始

2025/6/1 社会 無料
無料

日本語センター4か所を閉鎖 違法勧誘、就労斡旋でDMW

2025/6/1 社会 有料
有料