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負の遺産

2011/12/19 社会

最高裁長官の弾劾裁判

 下院法務委員会のトゥパス委員長は記者団に対し、コロナ最高裁長官の次にデルカスティリオ判事の弾劾手続きも強行すると暴露してしまった。アロヨ前大統領が任命した判事が大半を占める最高裁を追い込む計画が不注意にも口を突いて出たと我に返ったのか、それ以上は何も話さなかった。 

 計画とはもちろん、大統領の意向に沿う判決を下す判事で固めることだ。このためには大統領と与党下院勢は、全判事15人中8人を大統領任命の判事にしなければならない。これまでに大統領が任命した判事は3人。同長官弾劾以外にあと4人を弾劾裁判に持ち込む必要がある。

 仮に4人の弾劾が成立し、大統領が代わりを任命した場合、最高裁は事実上大統領の配下に置かれる。任命という「政治的借り」を理由に、大統領寄りの判決が下されるだろう。 

 大統領は自身の任命した判事を誹謗(ひぼう)中傷することはない。また、正当な判決という理由ではなく、自身に有利な判決という意味で判事たちをたたえるだろう。まさに「アキノ最高裁」である。自身が任命した判事が過半数を占めれば、これ以上前大統領任命の判事を弾劾する必要はない。過半数というだけで、思い通りになるという恐ろしい現実が待っているからだ。

 この結果、大統領による独裁という支配体制は別にして、大統領が司法界に及ぼす損害、民主主義にあるべき抑制と均衡のシステムへの弊害は永久に尾を引くだろう。

 次期大統領が同様の過ちを犯さないという保証はどこにもない。最高裁が自身の意向にそぐわなければ、下院に働き掛け、気にくわない判事を弾劾成立へと追い込む事態が繰り返される。大統領の与えた損害は最高裁の独立を脅かし、司法界全体に負の遺産となり続けるだろう。(15日・トリビューン)

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