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独裁者台頭を憂う

2002/7/8 社会

比民主主義の課題

 最近発表された二つの意識調査で、フィリピン民主主義の実態について国民が不満を募らせていることが浮き彫りになった。

 ソーシャル・ウェザー・ステーション(SWS)が五月に実施した調査によると、「フィリピンの民主主義」に「満足」と答えたのはわずか三五%、三月の四四%から九ポイント下落した。

 しかし、フィリピン大学のホセ・アブエハ元教授が二〇〇一年十一月に行った調査結果に、国民の幻滅の兆候が既に現れていた。この時、四二%の国民が、「民主主義は機能していない」としていた。さらに、「民主主義実現のための平和的手段は完全に失われてしまうだろう」と回答した者が七二%にも達していた。

 一方、SWSの調査では少なくとも、ラモス政権およびエストラダ政権の最初の二年目までは、大半の国民が民主主義の在り方に満足していた。一九九七年にアジア通貨危機が発生するまでは、持続的な経済成長を達成していたためだ。汚職やスキャンダルでエストラダ政権が堕落し始めるとともに、民主主義のプロセスは失われ、経済が失速。影響は現政権にまで及んでいる。

 問題なのは、民主主義への信頼が失われることで、一足飛びにカリスマ性を持つ「救世主」待望論が台頭することだ。独裁者こそ法と秩序を立て直し得るとして歓迎する機運が高まりつつあることを二つの調査結果は示している。自由の概念を履き違えると、安易な「クーデター」に頼ってしまう。経済成長と良き統治を実現するためには、合意形成の手順が必要という真の民主主義を経験してこなかったからだ。フィリピン流の民主主義からの脱却を急ぐべきである。(6日・インクワイアラー社説)

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