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10月6日のまにら新聞から

「不正あった」との証言撤回 ファーマリー社幹部のマゴ氏

[ 965字|2021.10.6|社会 ]

 保健省への医療備品水増し価格納入問題をめぐって、下院の「良き政府と公的責任」委員会に保護されていたファーマリー社幹部クリスル・マゴ氏が4日、下院委に出席し、上院ブルーリボン委員会での「不正があったと思う」との証言を撤回した。委員長のゴードン議員は3日に「ファーマリー社を立件する証拠はすでに十分だ。マゴ氏の証言はもはや必要ない」と、これまでファーマリーや保健省の言い分に理解を示してきた下院委でのマゴ氏の証言撤回を予見するかのような発言をしていた。

 また、ファーマリー社との関与が指摘されているドゥテルテ大統領は9月30日、閣僚に上院公聴会への参加を禁じるとともに、国家警察と国軍にも、上院からの逮捕要請に従わないよう命じた。それに対し、比投資家協会や比経営者協会、マカティ・ビジネス・クラブ、比株主協会など7つのビジネス団体、アテネオ大とラサール大の系列6大学は3日、「議員や行政府のメンバー、憲法委員会、司法関係者に、誠実さと透明性、法律と現行の手続きを順守するよう求めたい」との声明を発表した。

 さらに「医療従事者や国民は完全で公正な会計処理の説明を受けるべき」とし、現政権下で420億ペソ相当の新型コロナ物資の調達に不正があった疑いについて、上院委の調査に協力するよう政府に要請した。上院やビジネス・教育界が政府と全面対峙する構図が生まれつつある。

 マゴ氏は4日の下院委で、自らを「恥ずかしがりやで人付き合いが下手」と説明、この間、自らの携帯番号が流出し見知らぬ人に知られたり、地方の両親が捜査官に写真を撮られたりするなど、プライバシーの侵害があったと訴えた。9月24日の「ファーマリー社は政府を騙したと思う」などといった自身の証言が「圧力下でなされたもので、しっかり考えられる状態ではなかった」と弁解した。マゴ氏は上院委で宣誓後に証言しており、前言撤回は偽証罪に問われる可能性もある。

 マゴ氏の一連の変化について、ゴードン議員はネットニュース、ラップラーに4日、「マゴ氏が音信不通となった後、突然下院の保護下に入ったことで、予測はしていた」とし「ファーマリー社と政府の利益を擁護することに心を奪われている人間に何が期待できよう。悪魔と契約を交わしてしまった以上、もはや逃げ道はない」と語った。(岡田薫)

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