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7月21日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 734字|2014.7.21|社会 (society)|ハロハロ ]

 メキシコ国境から密入国してきた10代の子供たちでテキサス州の国境の収容所が満杯となり、米国の国内問題になっている││とCNNニュースは報じている。特別の予算措置が必要だし、内政の処理を間違えば秋の中間選挙に影響してくるので、オバマ大統領も頭を痛めている。しかし、ものは考えようで、米国は法を犯しても外国人が入国したい国でもある。

 メキシコや中米グアテマラなどから押し寄せる少年たちは、自国に職はなく、職を求めて米国に不法移民してくるという。「ラピドー、ラピドー(急げ、急げ)」。メキシコ人の声がイチゴ畑にこだまし、労働者が一斉に駆け出す。移民局の係官が追いかけては捕まえ、強制送還する。追いかけっこが広い畑で続いてきた。白人農園主は日当キャッシュ払いで不法移民の労働力を確保、捕まったら応募者がまた続々集まってくる。これなしでは米国の穀倉カリフォルニアの農業は成り立たないのも皆が知っている事実だ。それに引きかえ日本は介護や建設の現場で労働力不足がひどいという。高齢化社会がもっと進み、東京五輪が近くなった5年後ぐらいにどうなるのか。急に門戸を広げると新たな問題を抱え込むのではと政府は二の足を踏んでいる。求人倍率は東京や名古屋を除けば高くはなく、地方都市の雇用もあまりないので、外国人労働者を大量に入れると、フランスのようなことになるというわけだ。

 外国人が住んでみて魅力ある国に日本はなるだろうか。人口減の日本。はたして解決法はあるのだろうか。日本語しか通じない国に外国人はなじみにくい。大学入試という最後の関門で、世界で通じない日本式英語に磨きをかけていると予備校の先生に指摘され、文科省も立ち上がった。でも効果のほどはどうだろうか。(実)

ハロハロ