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4月30日のまにら新聞から

「ダバオ市から学ぶこと多い」 ダバオ・泉南両市が姉妹都市に 大阪・東京でビジネスフォーラムも

[ 1882字|2023.4.30|社会 (society) ]

大阪符泉南市で同市とダバオ市との姉妹都市提携協定調印式が開催された

姉妹都市協定調印式で山本ゆうま泉南市長ら市関係者、在大阪フィリピン総領事館の関係者およびセバスチャン・ドゥテルテ・ダバオ市長ら訪問団ら=25日(泉南市成長戦略室提供)

 大阪府泉南市で25日、同市とダバオ市との姉妹都市提携協定調印式が開催された。ダバオ市側からはセバスチャン・ドゥテルテ市長、市議会議員、市政府職員、民間企業の代表、大学関係者、観光省ダバオ地方局長ら22名が訪日。泉南市側からは山本優真泉南市長、阿児和成副市長、姫野勉関西大使、一坂浩史大阪府国際交流監、伊藤信久衆議院議員、大阪府や市、在大阪フィリピン総領事館の関係者が参加した。

 山本市長は学生時代に貧困や地域活性化に関心を持ち、マニラのスモーキーマウンテンでも国際協力活動に参加した。その後市会議員2期を経て昨年4月に当時最年少で市長に就任。昨年11月にダバオ市を訪問し姉妹提携締結の覚書に署名していたことが今回の締結につながった。

 調印式はビーチ沿いの会議場「そら・りんくう(りんくう南浜)」で行われ、式後に野外でたこ焼き、寿司、牛の串焼き、サンドイッチなど多くの屋台が出て楽しい昼食会となった。その後の調印式会場でドゥテルテ市長は「貿易・産業・教育・観光・医療ツーリズムに期待している。ダバオは無限の可能性を秘めたミンダナオ島の玄関口。島嶼から高地まで魅力的な観光資源がある。ICTセンターとしても魅力的で治安も改善している。ぜひダバオに来て魅力を味わってほしい」と挨拶。

 比訪問が7回以上、ダバオも2回訪問しているという山本市長は「泉南市はダバオ市から学ぶことがたくさんあると思っている」とし「アグリビジネス、文化、教育の分野など、今後自治体間交流を進めていきたい。教育分野では国際的なコミュニケーション能力を育成するため小中学校のオンライン交流が始まる」との取り組みに触れた。

 また、アフターコロナで経済が再活性化し、インバウンドも復活しつつある中、2025年の万博を絶好のチャンスとして活かしたい。ダバオ市から見て、泉南市は大阪、関西、日本の橋渡しの役割を果たす。両市の魅力を十分に知ってもらい、多分野での人的交流が進むことを期待している」と挨拶した。

 午後のビジネスフォーラムに先立ち、ヴォルテール・マウリシオ駐大阪フィリピン共和国総領事と石川義久駐ダバオ日本国総領事も挨拶。一時休暇中で家族と過ごしていたという石川総領事は「ダバオと言えばバナナ、ココナツ、パイナップル、ドリアンなどが浮かぶ人も多いと思うが、ダバオ市は2022年には 比国で4 番目に競争力のある都市にランク付けされ、かつ東南アジアで2番目に治安の良い都市と位置づけられている」と経済的投資や観光の可能性の高さに言及した。

 現時点で「ダバオ市と日本の直行便は無いが、西日本の玄関口である関空との直行便の就航へのきっかけになるものと期待をしている。両市の経済的なポテンシャルが理解され新しい関係が構築されることを期待している」とも述べた。同フォーラムには全日本空輸(ANA)、イオンモール、不二製油、双日など大手企業や比と関係の深い約20社が参加した。

▽非常に大きな可能性

 ダバオ市投資促進センター長のエイプリル・ダヤップさん(38)は「両市にとって歴史的な日。日本と歴史的に深い関わりを持つダバオ市が泉南市と姉妹都市になり本当に嬉しい。最近は日本のビジネスマンや観光客のダバオ訪問が増えてきている」とし「姉妹都市協定締結により非常に大きな可能性が生まれワクワクしている」と語った。

 また、同市議会国際関係委員会委員長を務めるアウグスト・カンポス市会議員(30)は、特に教育分野における人的交流が促進されることに期待している。オンライン交流や留学生交流、ホームステイなどを相互に実施し、未来を担う若者たちの友情を育みたい」との気持ちを伝えた。

 同市議会貿易産業委員会委員長のベルナルド・アルアグ市会議員(47)は「貿易、投資、観光の3分野での関係強化に期待をしている。今回、鶏肉の加工を手がけているビジネスマンもダバオから同行しており、鶏肉の大阪への輸出について、商談を成功させたい」と考えを口にした。 

 翌26日には在東京フィリピン大使館でもビジネスフォーラムが催され、日本企業約50社が参加し会場は満席に。ダバオ市への投資・ビジネスへの関心の高さが伺えた。さらに、大阪府の地方自治体が比地方自治体と姉妹都市協定を結ぶのは、高山右近と繋がりのある高槻市とマニラに次いで2番目。ダバオ市が日本と姉妹都市協定を結ぶのは環境姉妹都市である北九州市に次いで2番目となる。(東京=太田勝久、協力者=石川総領事、不二製油株式会社の芝田宗久氏)

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