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6月30日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 645字|2014.6.30|社会 (society)|ハロハロ ]

インドネシア大統領選(7月9日投票)で、1945年の独立後から続いている「エリート」ではなく、史上初めて「庶民」出身の候補者が当選する可能性が高まっている。初代大統領は独立宣言者で国民英雄のスカルノ。その後も大統領の座は高級軍人のスハルトを筆頭に、著名な宗教指導者、政党の党首といった「エリート」たちで占められてきた。

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 このエリート支配体制を打破し、国政に新風を吹き込める大統領候補として、有権者が今、熱い視線を注ぐのがジョコ・ウィドド氏(53)。木工家具の製作・輸出企業の経営者だったジョコウィ(愛称)氏は、2005年から7年間、古都ソロで市長を務め、市民中心の行政姿勢が国際的にも高い評価を受けた。その政治力を買われて12年には、首都ジャカルタ特別州知事選に出馬、現職を破って当選。知事室にこもることなく、連日現場に足を向け、市民の生の声に耳を傾け、州政に反映させてきた。

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 権力と金力で汚れた従来のエリートや、利権あさりの「政治屋」とはまったく異なり、勤勉かつ汚職と無縁の清潔さが際立つジョコウィ氏の人気は、首都圏にとどまらず、瞬く間に全国に拡大。闘争民主党は今年3月、同氏を大統領選候補として正式に指名した。対抗馬は元高級軍人の典型的な従来型エリート。同陣営は旧体制網を利用、加えて金力に物を言わせて「ジョコウィ封じ込め」を図っているが、ジョコウィ人気を切り崩すまでには至っていない。インドネシア国民は「庶民派大統領」の誕生に期待を寄せている。 (道)

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