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5月13日のまにら新聞から

組織票が与党離れか

[ 741字|2013.5.13|社会 (society)|新聞論調 ]

上院選投票動向

 統一選の上院選では、アキノ政権の与党陣営から立候補した12人が圧倒的に有利とされてきたた。しかし、5月13日の投票日を1週間後に控えた現在、彼らから組織票が離れている。プロテスタント系宗教団体のイグレシア・ニ・クリストはこのほど、与党陣営から7人、ビナイ副大統領率いる野党陣営から5人の候補者をそれぞれ支持する、と発表した。国家統計局によると、最も規律ある組織票とみられている同団体の有権者は137万人で、彼らの投票行動は、上院選の当落を左右する。

 与党陣営内の候補者間の不和も、暗い影を落としている。上位当選が予想されるレガルダ上院議員とアラン・ピーター・カエタノ上院議員の不和はよく知られており、地方自治体レベルでも与党内での不和が目立つ。先週、与党自由党のルソン地方ビコール地域における集票マシーンを掌握するサルセダ・アルバイ州知事が、驚いたことに、与党12人全員の支持ではなく、与党6人、野党5人、無所属1人を支持すると公言したのだ。アルバイ州の有権者は72万人でその動向も注目されている。

 1日のメーデー前日に、アキノ大統領は労働組合の主要ナショナルセンターの代表とマラカニアン宮殿で会合を持った。労働組合側は現在の最低賃金の水準が生活費にもこと欠く「飢餓賃金」だと賃上げを求めたが、大統領は相手にしなかった。首都圏の最低賃金456ペソが6人家族が生活するのに必要とされる生活費1217ペソの半分に満たないのにである。

 組合の全国連合組織としては穏健派である労働組合会議の代表に「賃上げ問題は今後検討する」と述べ、そそくさと席を立ち、与党の選挙集会に向かった大統領。労働者の組織票も与党から流れたかもしれない。(8日・インクワイアラー、アマンド・ドロニラ氏)

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