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2月11日のまにら新聞から

ホテルの整備を急げ

[ 735字|2013.2.11|社会 (society)|新聞論調 ]

外国人観光客の誘致

 昨年のフィリピンへの外国人観光客数は427万人と、前年の390万人から増加した。しかし、近隣のマレーシア(2500万人)、タイ(1450万人)、ベトナム(684万人)と比べると少ない。小さなシンガポールでも、タイとほぼ同数の観光客数を記録している。カンボジアも350万人と、われわれに近付いている。

 アキノ大統領は16年までに、外国人観光客を1千万人まで増やす目標を掲げている。大統領に質問がある。1千万人の観光客が来たとして、どこに泊まればいいのか。観光客の中には、たとえ景観が良くても、クーラーの無い粗末な小部屋に泊まるのを嫌がる人もいる。

 観光省が、国内ホテルに対する星を使った格付けを見直し始めたのは良いことだ。フィリピンのホテルは、5つ星や4つ星などのランクに相応しない、とがっかりする外国人観光客が多く、苦情が寄せられていたからだ。フィリピンは世界水準の観光資源を持っているが、世界水準の宿泊施設は十分ではない。バックパッカー向けの宿泊施設は十分過ぎるほどあるわけだから、今後はハイエンドもしくはアッパーミドルの客層向けホテルを整備すべきだ、と忠告する外交官がいた。この外交官は、フィリピンではバックパッカー向けの施設も、値段が高すぎるとこぼしていた。

 中国は最近、世界遺産などの観光地に外国人デザイナーの助言を取り入れた高級コテージ建設に力を入れている。外観は環境にマッチしたたたずまいながら、高速ネット環境などインフラが整っている。工業化を急いだ中国は今、大気汚染など公害問題に直面しており、従来の工業中心から外国人観光客をターゲットにした観光産業の育成への転換に努めている。学ぶところは多い。(8日・スター、アナマリー・パミントゥアン氏)

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