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10月8日のまにら新聞から

候補者の資格審査も

[ 730字|2012.10.8|社会 (society)|新聞論調 ]

政党リスト制

 下院政党リスト制は、社会的弱者の声を国会に届けるという目的で制定された。しかし、法の目的をあざ笑うかのような人物が議席を獲得してきた。このような不適切な政党による登録申請は、中央選管にとって長年の懸案だ。2013年の統一選に向けて、中央選管は積極的に「本物」と「偽者」を選別してきた。これに対し、同制度選出の何人かの議員が中央選管を中傷している。

 中央選管委員長は最近、政党リスト制は必要ない、との見方を示した。必ずしも、そうではあるまい。多くのリスト制議員が社会的弱者救済のために汗を流してきたし、今後もそうするだろう。

 制度の目的を果たすために中央選管ができることの一つは、登録申請した政党に加え、その政党が指名する候補者も審査することだ。

 リストの中には、これまで1人の当選者も出したことのない団体がある。ストリートチルドレン、元従軍慰安婦、戒厳令の犠牲者、性的搾取を受けた人、反政府武装勢力を抜けた元構成員らの支援団体などで、枚挙に暇がない。

 中央選管が不適切な政党をリスト制から排除するのは、正しい。しかし、道は遠い。先週の段階で、まだ289グループが審査待ちで、うち過半数の165グループが新規申請だ。

 政党リスト制の議員として当選することは、専用ナンバー・プレートを車に付けて街を走り回れる最も簡単な方法だ。優先開発補助金(通称、ポークバレル)などの特権も期待できる。

 悲しいかな、中央選管の権限には限界がある。党名の頭文字を強引に「A」や「1」にして、選挙で有利に戦おうとする政党などを排除する権限を与えるべきだ。中央選管が不適切な政党や団体の登録申請を却下すれば、有権者は賢明な判断ができるだろう。(1日・タイムズ)

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