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5月2日のまにら新聞から

違法売買を規制せよ

[ 709字|2011.5.2|社会 (society)|新聞論調 ]

地滑り被害に思う

 ミンダナオ地方コンポステラバレー州には、金鉱作業員が採掘した金を、その場で現金取引する違法バイヤーが存在する。

 金鉱作業員の家計は苦しく、その日暮らしの生活を強いられている。ところが彼らは、採掘した金をバイヤーに売り、現金を手にした瞬間、一時的に苦しい生活から解放される。ここに20年ほど前に同州で起きたゴールドラッシュ以来、危険で零細な違法採掘をやめさせようとする政府の努力が、繰り返し失敗してきた最も大きな理由のひとつがある。

 ゴールドラッシュによる違法採掘が山の環境を変え、地滑りが定期的に起こる原因ともなった。最近も、同州パントゥカン町で20人以上が、死亡または行方不明になった。大雨と地滑りが起きても、作業員は金の採掘を中断しなかった。現金取引のバイヤーが存在し、作業員が現金を得られる限り、金の採掘は続くだろう。政府が零細な違法採掘をやめさせたいなら、バイヤーの活動を調べ、規制することだ。

 車両窃盗は、盗難車の買い手がいなければ横行しないだろう。車の部品や付属品を盗むのは、首都圏ケソン市バナウェの部品店で、盗品を売りさばくことができるからだ。

 盗品を買い取る店は、あちこちに存在する。強盗は携帯電話を奪うためだけに人を殺す。民家に侵入した強盗は、電子機器から宝石、アルミ製のはしごまで盗んでいく。

 また、盗品を買い取る店は、送電線の銅線や金属製のマンホールのふたさえも扱う。警察は、これらの店を掌握すべきだ。

 コンポステラバレー州の小さな地域社会ならば、金鉱作業員と取引するバイヤーを特定することは難しいことではない。政府は、バイヤーの活動を規制するべきだ。(27日・スター)

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