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3月28日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 591字|2011.3.28|社会 (society)|ハロハロ ]

 そのとき、バスに乗っていた。東京・日本橋のクリニックからの帰りで、つくばエクスプレス秋葉原駅午後2時発の快速に間に合った。居住地、茨城県守谷に32分後に到着。2時45分のバスに乗り継ぎ、二つ目の停留所手前でバスが減速した途端、ガタガタッと来た。荒波にもまれる釣り舟のように揺れた。直後に信号機は停止、運転手は周囲を見回しながら注意深く運転を再開した。

 自宅にたどり着くと、お向かいの主婦が座布団を頭にかざして路上に止めた自家用車から飛び出してきた。カーテレビを見ているのだ。震源地を聞いたら「三陸沖」。こりゃ東北は大変だ。約30分後、屋外に逃げようかと一瞬迷うほどすごい揺れが来た。余震にしては大きい。食器棚を支えたりドアを半開きにしたりと対応にあたふた。一帯は停電だが、ガスと水道は無事だった。

 数年前、クイズで非常時携帯セットが当たったのを思い出した。手回しの懐中電灯が入っていて、これは重宝した。ぎいぎいハンドルを回すと明かりがともる。電池不要の優れものだ。余震が続き落ち着かない。落下した本や資料、茶碗、額縁などを片付ける気にもなれない。寒さしのぎに夕食後はジャージー姿のままベッドに。

 9時を過ぎると、西日本に住む弟妹たちから相次いで心配のメールが届いた。発信から6時間もたっている。暗闇の中でメールを読み、やっと通じた電話で人心地ついた。(紀)

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