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3月14日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 610字|2011.3.14|社会 (society)|ハロハロ ]

 毎週末に自宅近くの公園で開かれる青空市に出掛けたら、顔なじみの八百屋の女店主から買い物袋を買うよう勧められた。これまでは買い求めた野菜や果物をビニール袋に詰めてくれていたのだが、「マカティ市当局の指導」で、なるべく客に袋を持参させるよう指示があったのだとか。地球の温暖化が世界的な論議になる中で、グッドニュースと納得し、店頭にぶら下がっていた布製の買い物袋を買って帰った。

 温暖化対策をめぐる論議の主舞台である「気候変動枠組み条約締約国会議」(COP)は、コペンハーゲンからメキシコのカンクンへ、そして今年は南アフリカで開かれる。ところが先進国と途上国、先進国同士の三つ巴の対立は、一向に解消しそうにない。かつて欧州国連本部(ジュネーブ)の会議で、ある外交官が、「マルチ(多国間)の協議は、中国の夫婦げんかみたいなもので、先に笑わせたほうが勝ち」と話していたのを思い出す。家族や親戚、近所の人たちなどの面前で派手にけんかをする中国の夫婦を半面で皮肉った言葉でもあるのだが、当時はなかなか名言だと関心した。だが、COP論議はそうしたレベルではなくなったようだ。

 ところで、くだんの青空市へ翌週末にも出掛けたら、八百屋の女主人が客の買った品物をビニール袋に詰めている。なぜ、と聞いたら「指導に同業者が振り向きもしないので、うちだけやっていたら、客をとられてしまう」とのこと。いかにもこの国らしい。(邦)

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