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2月7日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 607字|2011.2.7|社会 (society)|ハロハロ ]

 国民的な人気歌手だった坂本九が歌って大ヒット曲となった「幸せなら手をたたこう」が、今もフィリピンで広く歌い継がれていると知って驚いた。昨年末に日比両国の若者たちとカラオケに行った時のことである。興に乗って歌ったら、フィリピン語の大合唱になった。対照的に日本の若者たちは「聞いたことはあるけど」と、反応はいまひとつだった。もともとスペイン民謡が原曲と知ってはいたが、フィリピンではいわば小学唱歌のように歌われ、教会でも歌われることがあるということらしい。

 この歌が日本で世に出たのは東京五輪の年である。

この年の選抜高校野球大会では入場行進曲にもなった。作詞は木村利人(りひと)恵泉女学園学長。木村氏が学生時代に訪れたフィリピンの農村復興を支援する国際ワークキャンプで、宿舎となったマニラ郊外の小学校の生徒たちが歌ったのを耳にしたのがきっかけだった。帰国の途次に日本語の歌詞をつけ、キリスト教関係サークルなど仲間うちで歌われたいたのを坂本九がたまたま聞きつけ、作曲家いずみたく(ペンネーム有田怜)に編曲を依頼してレコード化が実現したという。

 当時の日本は高度成長のただ中。新幹線が列島を走り、超高層ビルが都心に建ち始めた。学生が集まるコンパでも時には結婚式でもこの歌が歌われていた。今も童謡の定番にはあるはずだが、若い世代が歌わなくなったのは、「幸せ」に夢を持てなくなったせいだろうか。(邦)

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