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1月24日のまにら新聞から

止まらない犯罪

[ 716字|2011.1.24|社会 (society)|新聞論調 ]

政権の無能さ露呈

 アキノ大統領とその取り巻きは認めないだろうが、現実に治安は確実に悪化しており、現政権は法支配に対する姿勢が弱く、あまりに無力だ。犯罪多発に対し大統領は、解決策になりそうにない国家警察による捜査透明性の向上を指示。相次ぐ車販売業者殺害事件でも、遅すぎる早期解決を命じたが、大統領府と国民からのプレッシャーにさらされた警察や国軍は得てして特定の事件に無関係の個人や犯罪組織などをかき集め、「犯人逮捕」をアピールするだけ。

 今や誰しもが比のどこにいても容易に誘拐・拉致され、殺され、携帯電話でさえ盗まれる危険を感じている。そんな中、大統領の射撃仲間である国家警察長官は犯罪防止、法支配の徹底に向け何か対策を講じたか。バス乗っ取り事件で人質救出をしくじったにもかかわらず、大統領がお友達のプノ内務自治次官の責任を問わなかったことを考えれば不思議はない。警察の長だというロブレド内務自治長官の無能さも明らかだ。大統領は自治体による違法賭博フエテン撲滅も優先事項でないと言った。では一体何が内務自治省の優先事項なのか。

 バス乗っ取り事件での香港側による証人招致要請でも、大統領は取り巻き連中の職務怠慢と事件への責任が証明されるのを恐れ、無意味な主権問題を持ち出した。

 選挙運動中、正義を回復し刑罰免除の文化を過去のものにすると約束しながら、就任直後から仲間を責任追及から逃がしている。

 実際には比人をさらに貧しくする官民連携事業が大統領の趣向だが、特に外国人投資家にとって治安問題の解決なくして投資なしという単純な事実すら気づいていない。国民は安全を感じていない。アキノ政権は全く国を統治できていない。(22日・トリビューン)

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