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11月29日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 635字|2010.11.29|社会 (society)|ハロハロ ]

 椅子に腰かけるにしても、そこから立ち上がるにしても、思わず口をついて出てくるのが「ヨイショ」の言葉。還暦を迎え、さらに数年が過ぎる今、「ヨイショ」の登場回数が以前よりも確実に増えつつある。と同時に、腹部周りに余分なものが付き始め、体の動きに切れを欠くようになってきた。「明らかな運動不足」と反省、早速、今住む自治体の体育館に電話を入れ、「バドミントンコート」を予約した。

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 平日の正午までの3時間、広い体育館の片隅を借り、家人と共にシャトルを思い切り打ち合う。15分間も打ち続けていると、冬間近の今でも、じっとりと汗をかき始め、日ごろの運動不足が徐々に解消される気分に陥る。とはいえ、かつてのように床すれすれのシャトルを脚や腕を思い切り伸ばし、拾いにいくことはない。体がもう動かないこともあるが、本能的にけがを避ける意識が働いているからだろう。

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 バドミントンの面白さを知ったのは、この競技が国技となっているインドネシアのジャカルタに駐在していた時だった。1980年代前半、同国は世界に冠たるバドミントン王国で、全英選手権など国際大会での優勝が相次ぎ、国民はヒーローたちの活躍に大喝さいを送っていた。そんな折、地元記者らの誘いを受け、バドミントンのラケットを手にし、シャトルを追うそう快さにはまった。そして今、冷えた空気を裂いて体育館内に響くシャトル音を聞くたびに、ジャカルタで出会った友人たちの顔が懐かしく浮かんでくる。(道)

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