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11月22日のまにら新聞から

運行停止をやめよ

[ 701字|2010.11.22|社会 (society)|新聞論調 ]

墓穴を掘るバス会社

 車道から車を減らそうと実施された車両番号末尾規制に合わせ、バス運行会社が路線バスの運行停止を強行した。しかしバス会社にとっては、かえって墓穴を掘る結果になった。バス会社が公共車両には一般車両以上に道路を広く使える優先権があると考えるのは正しいが、運行停止の強行は度が過ぎ、数万人にのぼる通勤者を立ち往生させてしまった。

 狭量な暴君とも呼べる首都圏開発局(MMDA)の当局者に戦いを挑むべく、運行停止を強行したバス会社は、道義的な立場を失った。当局者は、誰が実力者なのかを示すために対決を仕向けたのだ。

 彼らは実際にバス運行会社に最悪な選択をさせた。規制に反すればバスを没収すると言明した。バス会社の営業権の一時停止または取り消しへ動くとさえ脅した。

 かくして、われわれは番号規制初日の15日、おかしな光景を目の当たりにすることになった。車道からバスが姿を消す一方で、道路が渋滞するという光景である。

 この日、職場に遅れて着いた人たちは給料を削られるだろうし、出社するのを諦めた人は1日分の給料を失うことになった。こうした人たちこそバス運行停止の経済的な結果に対処する余裕のない人たちである。裕福な人たちは、自分で車を所有しているか、あるいは友人が車を持っている。

 バス会社の経営陣は、MMDA当局者が営業権の一時停止か取り消しに躍起となっていることに気付くべきだ。当局者は悪化する交通渋滞の緩和実施に行き詰まり、車両数自体の削減しか思いつかなかった。次はバス車両の削減に踏み切るであろう。それによって、彼らが無能ではないと上司や公衆に示そうとしているだけなのだ。(16日・マラヤ)

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