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9月13日のまにら新聞から

SMの「いかさま」

[ 723字|2010.9.13|社会 (society)|新聞論調 ]

値札の額と「正価」

 数週間前から、小売業最大手シューマート(SM)の「いかさま」を告発する電子メールが届き始めた。告発によると、SMの一部支店では、商品の値札の額と、レジに登録されている商品の値段が食い違い、会計時に値札より高い額を払わされるという。レジを含む商品管理システムの値段変更が、商品の値札に反映されていないことが原因のようだ。

 実を言うと、わたしも3回ほど同じような体験をしたことがある。場所はいずれも首都圏マニラ市内のSM支店で、値札より高い額がレジの画面に表示された。

 「レジで表示された額が正価です」と説明するレジ係の女性に対して、わたしは「法律では、値札の表示額を超える額は請求できないと定められている」と反論した。

 結局、値札の正価が適用されたわけだが、問題もいくつかあった。一つは、スーパーバイザーの承認まで時間がかかり、他の買い物客に迷惑をかけたこと。そして、「小銭のために、か弱いレジ係をいじめる男」とみられたことだ。

 ただ、電子メールを送ってきた告発者の中で、わたしのように精算時にレジ係を問い詰めた人は皆無。帰宅後などにレシートを見て、初めて値段の違いに気付いたという。実際、わたし自身も、以前はSMの洗練された商品管理システムを全面的に信頼し、払わなくてもよい金をクレジットカードで払っていたと思う。

 言うまでもなく、SMは国内最大の小売店で、全国各地に支店網を張り巡らせている。買い物客一人一人にとって値札と「正価」の差額は大きくないかもしれないが、「いかさま」が全国規模で続いているならば、さまざまなステークホルダーを巻き込んだ大問題へと発展する恐れがある。(8日・スタンダードトゥデー、ボン・オステロ氏)

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