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8月23日のまにら新聞から

農・漁業に注目

[ 684字|2010.8.23|社会 (society)|新聞論調 ]

適切な雇用情報提供

 労働雇用省の専門家によると、今後の10年間に国内で最も必要とされる労働者は「農民」と「漁民」だという。その理由は農業、漁業部門で多様化が進むからだ。同省は今、教育機関の関係者と協力し、職業訓練学校や大学の卒業生らがこの将来の需要増を満たすよう取り組んでいる。

 その場合の難問は、海外で働くよりも国内で農民や漁師として働く方が賢明だと、生徒や親たちをどう説得するかだ。専門家たちや熟練労働者たちが海外に流出し、多くの産業で深刻な問題となっている。比は農業国家だが、若者は農業と漁業に興味を失っている。イフガオの棚田地域でさえも、若者の後継者がいなくなっている。

 労働雇用省は農業と漁業を期待できる新興産業と認めている。来るべき将来、土地を耕せる熟練者や漁民が必要となる。そのほか、現在同省が重要職種としているのはインターネットサービス、健康、ホテルとレストラン、観光業、鉱業、建築業、銀行業、製造業、不動産業、運輸業、卸売業、小売業など。

 こういう多様な職業があることを学生らに提示し、そうした中から自分に合った職業を選べると説得するのが、次の段階となる。同省関係者は求職側と雇用側との思惑が一致していないことを分かっている。

 看護系コースが大量に設置されたが、世界での需要が減り、雇用機会は減少している。求職者に対しては、国内外の雇用現状に基づく、適切な指導を行うことが重要。誰であれ、自分の国で家族と共に暮らしながら仕事をすることを好む。自国でも雇用機会があることが分かれば、誰もが自国にとどまり、仕事を見つけることを選ぶだろう。(16日・スター)

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