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11月2日のまにら新聞から

新聞論調

[ 688字|2009.11.2|社会 (society)|新聞論調 ]

粗悪教育は窃盗同然

 高等教育委員会はこのほど、数年にわたり国家資格試験に合格者を出していないとして117校の看護学校に閉鎖命令を出した。政府機関による規制が緩いことや、世界中で看護師に対する需要が高まっていることから、最近、看護師養成学校が全国で雨後のタケノコのように増えている。高等教育委員会は粗悪な看護学校の取り締まりを今後も続けるベきで、政治家もこれに介入すべきではない。

 過去に何度も高等教育委員会は看護学校の取り締まりを強化しようとしたが、その都度、学校経営者たちが政治家を通じて阻止してきた。経営者たちは政治家の親族や友人、または選挙キャンペーンの出資者たちで、頼まれた政治家らは大統領府に直接、陳情に行くという光景が繰り広げられてきた。しかし、最も不利益を被っているのは、授業料や通学費用といった出費に多額の投資を行ってきた学生の親たちである。自分たちが受けてきた教育が低水準のため、国家資格試験に不合格となってしまった学生も気の毒だ。

 高等教育委員会はこれまでに法律学校の取り締まりを強化してきた。司法試験に合格できない学生を輩出してきた学校が多かったからである。政府は高等教育機関に対して国家試験取得などを義務付けることも増えてきた。学校を授業料をかき集めるだけの機関と考えている経営者らは窃盗犯と同じである。

 卒業証書を乱発する学校を取り締まると同時に、教育水準を引き上げることだ。若年人口が拡大しているのだから教育機関の整備が急がれる。質の高い私立教育機関には優遇措置を付与した方が良い。学校閉鎖だけでなく教育機関整備も同時に実施すべきだ。(同30日・スター)

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