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7月27日のまにら新聞から

歴然たる違い

[ 684字|2009.7.27|社会 (society)|新聞論調 ]

コーリーとグロリア

 最近の出来事をよく見ると、アキノ元大統領とアロヨ大統領との歴然とした「違い」が見えてくる。どちらも女性でピープルパワーの産物という点では一見共通点もあるが、コーリーが民衆の心、魂となり民衆蜂起を率いたのに対し、グロリアは民衆蜂起のおこぼれをもらったにすぎない。

 コーリーは権力行使に消極的だった。マルコス元大統領の対抗馬として選挙への出馬を推された際、「自分には政治経験がなく他に適任がいる」と出馬を断った。一方、グロリアは常に権力に固執した。ピープルパワー2当時、民衆は政権関係者全員の辞職を要求したが、グロリアはエドサ通りに集まる民衆をよそに前大統領と秘密裏に交渉した。任期終了が近づくと、再選を望まず、きれいに去ると誓いながら、結局は出馬した。

 コーリーは一貫して英雄視されることを避けた。国家を救ったと言われれば、それは国民の偉業だと答えた。グロリアは究極の自作自演の英雄気取りだ。パッキャオ選手の勝利さえも自身の偉業にすり替える。

 コーリーが「国民がわたしを導いた」と言えば、国民は「国民の声は神の声だ」と返す。グロリアが「神がわたしをここに据えた」と言えば、国民は無神論者に変わる。

 コーリーがこの世にいる限り、世界は彼女に闘い続け、留まるよう懇願するだろう。グロリアがマラカニアンに居座れば、世界は彼女が失脚し、転落するよう懇願するだろう。いつか、コーリーがこの世を去る日が来れば、天国の門が開き彼女を迎え入れる。グロリアがマラカニアンを去る日が来れば、天は喜んで彼女を助けるだろう。(22日・インクワイアラー、コンラド・デ・キロス氏)

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