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6月29日のまにら新聞から

厚生省支援を

[ 723字|2009.6.29|社会 (society)|新聞論調 ]

下院の新インフル騒ぎ

 下院議会でこのほど、新型インフルエンザの感染が確認された。第十四回国会が再開される数週間前である。下院議員の何人かは早速、下院本会議が始まる前に聴聞会実施を計画している。彼らは、下院議会職員の間に新型インフルエンザの感染を確認しながら自分たちに即座に知らせなかったことを問題視し、厚生省とドゥケ同省長官に対し非難のまなざしを向けた。

 しかし、厚生省は、まじめに良い仕事を続けている数少ない政府機関の一つである。本当に限られた予算しかなく、他の政府機関の幹部たちが汚職に走っているにもかかわらずである。同長官を聴聞会にかけるという試みは、退屈した議員たちが実際の保健医療問題に興味がある訳ではなく、むしろ同長官に対するやっかみからであろう。なぜなら現在、ドゥケ長官は毎日のようにトップニュースに登場しているからだ。ある上院議員によると、同長官は来年の統一選挙で公職に立候補する可能性が高いという。

 もしドゥケ長官が来年五月の選挙に立候補したら、現職の議員たちよりも国民の票を集めるに違いない。厚生省と社会福祉開発省は本来の仕事に取り組む政府機関として認められているからだ。新型インフルエンザ騒動が始まった時、大げさにパニックをあおっているとして同長官は糾弾された。教育省幹部たちも新学期の開始を延期するようにという厚生省の提案を笑いとばし、実施しなかった。しかし、昨日現在で五十以上の学校が休校措置を取り入れている始末である。

 ワクチンの確保が困難で診療機関に対する予算もままならない中、厚生省は個人情報を守りながら危機管理に全力を挙げている。下院議員たちは聴聞会実施ではなく、ドゥケ長官の困難な闘いを支援すべきだ。(27日・スター)

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