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6月8日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 566字|2009.6.8|社会 (society)|ハロハロ ]

 死刑確定者が再審で無罪になった冤罪(えんざい)事件は過去に四件起きている。いずれも何次にも及ぶ再審請求後に審理が再開され、無罪判決が下された。逮捕時の年齢は十九歳から二十五歳。拘置期間は最長で三十四年間にも達する。三件目の冤罪事件となった松山事件の斎藤幸夫さんの再審公判には共同の仙台支社時代に携わった。拷問による自白の強要と証拠偽造の疑いなどが無罪の決め手になった。

 裁判員制度がスタートした。抽選で選ばれた市民裁判員が冤罪事件のような重大な刑事事件の一審裁判に参加し、死刑か否かの判断を迫られることもある。殺人、傷害致死、強盗致傷など凶悪事件が対象となるが、審理に関して一生口外できず、守秘義務を負わされる。違反すれば刑事罰もあるので裁判官より厳しいたががはめられた。七月ごろにも市民裁判員が参加した初公判が開かれる。

 裁判員制度の導入で新聞、放送各社の事件報道の見直しが目に付く。日本新聞協会が決めた取材・報道指針に沿って、各社が独自の「ガイドライン」を策定した。「犯人視報道しない」「被疑者の認否を書く」「情報の出所明示」などが盛り込まれている。「調べによると」が「取材で分かった」「発表した」など出所を明示する表現になった。二十年前に「逮捕者呼び捨て」を「○○容疑者」に改めて以来の改革になる。(富)

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