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5月18日のまにら新聞から

専門家による調査を

[ 685字|2009.5.18|社会 (society)|新聞論調 ]

即席めん調達疑惑

 今や即席めんが貧者の食べ物の代名詞だ。簡単に調理でき栄養素も含まれているとされるこの食品は、災害救援活動などで政府がよく配っている。また、教育省は給食プログラムの一環として即席めんを導入してもいる。

 即席めんは安価な食品とされており、一袋の価格はせいぜい六︱八ペソ。ところが昨年、教育省はこの給食用即席めん一千五百万食分を調達するのに一袋当たり十八ペソを支払ったという。ロハス上院議員ならずとも納税者として、その理由を知りたいと思うのは自然だろう。

 上院での真相究明が始まり、ラプス教育長官は今年の二千万食分、総額で四億二千七百万ペソに達する即席めんの調達を一時中断し、独立した専門家チームによる栄養分析も実施すると釈明した。このヌードルに卵黄などの栄養素補強が実際に施されているのか、費用効果、給食プログラムの実態なども併せて評価するという。大統領府もこの際、教育省外部の専門家による評価チームを結成し、価格水増し疑惑や栄養価に関する審査を実施し、違反者に対し適切な行政処分や刑事処罰を科すべきだ。

 教育省がスキャンダルに見舞われたのはこれが初めてではない。エストラダ前政権下でも教科書の調達をめぐる汚職疑惑が起きた。最近でも教科書の記載の間違いを指摘し、その質を向上させる必要性を訴える市民運動も始まっている。

 教育省は昨年、八十万人の幼稚園児および小学一年生を対象に一千五百万食の即席めんを配付した。教育省の中には落札できなかった納入業者の嫌がらせだとうそぶいている者もあるが、外部専門家による調査を実施すべきだ。(14日・スター)

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