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6月9日のまにら新聞から

本格開業へ高まる期待

[ 715字|2008.6.9|社会 (society)|新聞論調 ]

第3ターミナル問題

 完成間近で工事中断状態が続く「マニラ国際空港第3ターミナル」の本格開業に期待が高まっている。このほど開かれた比政府と欧州の投資家たちとの会合でも、同ターミナル開業の時期が議題のひとつになった。施設の老朽化に加え、手狭状態の同第1、2ターミナルを補完する新ターミナルの開業に強い関心が集まっているからだ。

 投資家からは「未解決問題があっても、比政府が主導権を発揮すれば、新ターミナル開業は可能」との声が相次いだという。こうした声に押されたのか、運輸通信省当局者は「年内開業」の方針を明らかにした。今回の開業方針がほごにされないよう望む。

 そのために同省は新ターミナルで問題化している「不備」を最小限に抑えねばならない。なぜなら、今回の新ターミナル建設では・比の投資環境の劣悪さ・建設事業をめぐる汚職・政府による事業契約の一方的破棄・司法制度のぜい弱さ・・などが露呈し、外国からの投資家に大きな不信・不安感を植え付けてしまったからだ。

 空港施設はその国の「顔」とされる。シンガポールは言うに及ばず、マレーシアやタイなど近隣諸国は最近、近代的な空港施設を完成させた。こうした空港は最新施設を備えているだけでなく、円滑な運営も誇っている。洗面所にはトイレットペーパーが十分に置かれ、停電時に稼働する自家発電設備も完備している。雨期でも天井から雨漏りすることもない。

 比では全く逆の事態が起きている。混雑解消を目指して建設された第3ターミナルが約五年間もたなざらし状態に置かれ、せっかくの新施設も劣化が進んでいる。比政府は自らが設定した「年内開業」という目標をきちんと守らねばならない。 (5日・スター)

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