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4月7日のまにら新聞から

交通問題への朗報

[ 707字|2008.4.7|社会 (society)|新聞論調 ]

違法バス一斉摘発

 三月三十一日。私の親せき一同が首都圏の大動脈エドサ通りを走行中に異変に気付いた。ガラガラだったのだ。マカティ市からケソン市まで通常一時間を要するドライブはたった二十分ほど。その理由は、首都圏開発局(MMDA)が違法操業バスの一斉摘発に踏み切ったためだった。

 ケソン市ホワイトプレーンズ付近には摘発された違法操業バスが道路沿いを埋め尽くした。ルソン地方北イロコス州ラワッグ市在住の兄弟の一人は、この異様な光景にクーデターか大規模な反政府集会が進行中なのかと不穏な推測を働かせたというが、車を運転する側からは歓迎すべきことだった。

 政府当局は過去数年にわたって、エドサ通りを筆頭に主要幹線道路の違法操業バス取り締まりの必要性を訴えてきた。違法操業バスの多くは地方長距離バス運行業者でドル箱路線のエドサ通りでも運行することで、収益増を目論んでいる。MMDA職員は今回の一斉摘発の際、違法の疑いのあるバス一台一台に書類提示を求める代わりに、スプレーで「違法印」をマークするという強硬手段に踏み切った。

 地元テレビ局によると、地方長距離バス運行者はスプレーによる強制摘発を「独裁的」と表現し、必要性をまったく欠く行為と厳しく非難しているという。しかし、私はMMDAに賛辞を送りたい。なぜなら、今回の違法操業バス一斉摘発はフェルナンドMMDA局長の政治的意志の表れであり、その対象は、政界への影響力を有する長距離バス運行業者に向けられている。

 違法操業バスの一掃は首都圏交通問題を解決する有効手段であることは明白で、私はMMDAの一斉摘発を支持している。(2日・インクワイアラー、リナ・ヒメネス・ダビッド氏)

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