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11月12日のまにら新聞から

東京、バンコクに続け

[ 654字|2007.11.12|社会 (society)|新聞論調 ]

マニラ首都圏の再生

 首都圏開発局(MMDA)にとって、東京とバンコクというアジアの大都市圏から学ぶべき教訓は多い。東京はマニラ首都圏の四倍の面積を有しながら、世界の都市の中で最も住みよい環境を維持している。それはディーゼル車の乗り入れ禁止など石原都政の長期的計画に負うところが大きい。

 バンコクはかつて、渋滞や大気汚染などマニラ首都圏と同様の問題を抱えていた。しかし、一九九六年の知事選で大勝利を納めたピチット知事は任期の四年間で、ごみポイ捨て禁止の徹底や黒煙をまき散らす車の摘発、建設現場の美化、交通渋滞の緩和などを断行して住環境を激変させた。

 MMDAが担当する分野は、都市計画や交通行政、都市開発、公衆衛生、ごみ処理など多岐にわたり、フェルナンドMMDA局長の責務は重い。

 同局長がまず着手すべきは、首都圏の後進地だったマリキナ市を進歩的かつ近代的な街に変えた市長時代の功績をたどることだろう。功績は違法占拠住民の移転や街の美化、渋滞緩和、ごみ収集の効率化などで、マニラ首都圏は同市より広大で住民構成も複雑だが、自治体首長や住民と連携すれば首都圏の再生は不可能ではない。

 例えば交通行政では、法を順守しないドライバーや歩行者の検挙、訴追徹底に加えて、違法駐車や悪質な交通整理員、警察官の取り締まりを断行すべきだろう。さらに、車に代わる公共交通機関の整備、つまり比国鉄の近代化や軽量高架鉄道と首都圏鉄道網の拡張も必要不可欠だ。これらに予算の手当という政府の支援が必要なのは言うまでもない。(7日・タイムズ)

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