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10月8日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 528字|2007.10.8|社会 (society)|ハロハロ ]

 新首相は親子二代の日本国総理だが、父の福田赳夫首相と奇しくも三十年前、マニラで一緒だった。東南アジア歴訪に随行記者団の一員として同行したのだが、機中では気さくに記者席に来て、「おれは昭和元禄の首相だよ」などとぶっていた。大蔵省(今の財務省)事務次官から安倍前首相の祖父、岸信介首相に後継者として迎えられた人物で、切れ者だがそれを外に出さない人だった。

 マニラでは、日本は軍事大国にはならず、経済発展の機関車役を務めるという例の「東南アジア新ドクトリン」を発表した。あれから日本の外交方針はあまり変わらないが、「南」に対する熱い思いと馬力が足りなくなった。「比日経済連携協定」では産業廃棄物を持ち込まないと明確に約束していいし、比人の日本就労を積極的に支援して罰は当たるまい。

 マルコス大統領との首脳会談がテレビ中継された際、日本側通訳が下手で、さすがの福田首相も顔色が変わったのを思い出す。雄弁かつ尊大なマルコスさんの手前、恥ずかしい思いをしたようだった。その後、同首相は日本赤軍派のダッカ空港事件で人質解放のため、超法規的に同派テロリストらを刑務所から釈放した。息子の新首相も北朝鮮問題で人権と国際関係の狭間に立たされそうだ。(水)

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