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10月1日のまにら新聞から

ミャンマー除名を

[ 698字|2007.10.1|社会 (society)|新聞論調 ]

軍事政権の民衆弾圧

 ミャンマー軍事政権による民主化運動に対する野蛮な弾圧は、治安部隊が、平和的な抗議行動のために街頭に出て来た仏教僧らを攻撃し、逮捕したことから一層醜い様相を呈してきた。抗議行動の参加者に対して治安部隊が発砲し、僧侶を含む市民を殺害し、多数を逮捕した。

 この行為は驚くに当たらない。この軍事政権は一九九〇年の総選挙で正当に選ばれたアウン・サン・スー・チー女史を幽閉し、政権を奪ったはったりの独裁者集団と同じ徒党なのだ。また、スー・チー女史の英国人の夫が死ぬ前にミャンマーに入国し彼女と会うのを阻み続けたのもこの政権だ。ノーベル平和賞受賞者であるスーチー女史は国際世論の圧力と反対にもかかわらず、今日まで自宅に軟禁されたままである。

 この国の軍人支配のねじれた論理にすれば、無名の僧侶数人が犠牲になっても何のことはないのだろう。こんなに長期間、スー・チー女史を幽閉し、黙らせてきたのだから、僧侶による新しい抗議活動を抑圧することなどたやすい。

 当惑すべき真実は、国際社会がいまだに軍指導者たちに正気を取り戻させることができないでいるということだ。フィリピンが創設メンバーに名前を連ねている東南アジア諸国連合(ASEAN)も改革をもたらすことに失敗してきた。「建設的な関与」という政策が余計なお節介にすぎず、軍事政権を加盟させたことが恥になっている。

 今回の弾圧に対応して比外務長官はミャンマーの改革を求める声明を出した。強力な声明ではあるが、行動が伴わなければならない。民主化が回復されないのであれば、ミャンマーのASEAN除名に踏み切って当然である。(28日・スタンダードトゥデー)

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