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8月27日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 514字|2007.8.27|社会 (society)|ハロハロ ]

 マカティ市に住んで三年あまりになるが、いまだに慣れない。ネズミや犬、猫が車にひかれて死んだまま放置され、ペッタンコになって消えていく過程を日夜、見ることだ。徒歩の通、退勤のたびにおぞましいが、猫は数日で舗道にへばりついた毛の塊になり、ネズミでは何やらするめの足のような物が残ったりする。確かめるのも気色悪いが、シッポであろう。

 ネズミは毒物を食べて道にさまよい出るのだろうか。時には子犬ほどのクマネズミも倒れている。フィリピンの庶民は結構、大食いのうえ、平気で食べ残すからネズミはえさに困らないのかも知れない。死体から十メートルも離れていない場所でカンティーン(簡易食堂)が営業していたりする。車が何度も踏みつぶして「処理」してくれるまでほっぽらかしだ。

 野良猫はほとんどがやせこけている。どういう訳かゴキブリが夜になると街路に出てくる。それを捕らえて飢えをしのぐこともあるらしい。ふらふらと道を横断して車にはねられてしまう。見覚えのある茶と白の子猫がいないなと思ったら、路上に同じ模様の敷物ができていた。よく知らない国にさまよい込んだわが身の末が心によぎると、風に飛んだ毛のようなものが口に入った。(水)

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