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6月11日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 566字|2007.6.11|社会 (society)|ハロハロ ]

 赤ん坊の洗礼式列席はこれで三回目。通過儀礼にかかる費用を出すのがニノン(名付け親)の役目で、頼んできた知人の懐を思うと断りにくい。今回はパサイ市の貧民街マリバイ。ごみごみと活気にあふれる雑踏。間口の狭い店が建ち並び、肉から魚から野菜まで何でも少しずつ売っている。美容院も床屋もある。トライシクルが群がってくる。路地だけが営業範囲で、ひったくり除けの意味がある。

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 教会の中はひんやりと住民たちの涼み場所だ。しかし、今日は赤ちゃん二十人以上の洗礼で親類縁者が約三百人集まっている。子供のむずかる声がワンワンこだまして暑い、暑い。教会なのにオルガンも聖歌隊もない。神父のタガログ語の祈りに従って「アーメン」「オポ」とつぶやく。それから神父が赤ん坊たちの頭に水をジャカジャカ注ぐ。後はお定まりの撮影会だ。

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 帰宅するとすぐビュッフェスタイルの食事になった。酒は出ない。デザート含めて皿数は四つ。おかずを飯に混ぜるフィリピノ式である。二階建て棟割り長屋で親きょうだい五家族、子供を含め推定二十人が住んでいる。イスで食べるのは招待客だけ。家族は戸外にはみ出る。しばらくすると近所のカミさん連が押し寄せ、食事にありついた。知人は「年内にあと二人生まれる」とつぶやく。ニノンはもういいよと言ったものの・・・(水)

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