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6月11日のまにら新聞から

急げ選挙改革

[ 672字|2007.6.11|社会 (society)|新聞論調 ]

3つの緊急課題

 二〇一〇年の大統領選(あればの話だが)は比史上で最も重要な政治的行事となるだろう。それまでに選挙システムで変えばならないことが三点ある。それは、①選挙の電子化②ミンダナオ地方の選挙システム改革③中央選管の徹底的な改造。

 有権者六億七千五百万人を抱えるインドですら七十二時間以内に選挙結果が分かるというのに、わが国では五月十四日の統一選から二十一日たっても、上院選当選者十二人の顔ぶれが決まらない。時代遅れの報告や集計の仕方で時間を食い、選挙結果をいじくり不正を行う余地を与えている。

 二〇一〇年の統一選に向け、政府はできるだけ早く、迅速かつ正確な選挙結果を出す方法を見いださなければならない。もしアロヨ大統領が政治的意志を貫き、選挙電子化計画を推進するならば、偉大な業績を遺すことになるのだ。

 六月一日現在で、中間集計表がほとんど提出されていないのはミンダナオ地方のみ。マギンダナオ州や南ラナオ州などでは、旧式な票の集計・報告方法が大規模な選挙不正を助長している。

 無能で汚職疑惑にまみれている中央選管の大改造も必要だ。今回の選挙で、政権与党側以外は誰一人として中央選管が良い仕事をしたとは考えてはいない。選挙前の民間調査機関の世論調査でさえ、中央選管を信用すると回答したのは全体の四六%にすぎなかった。

 わが国は今や経済的な離陸の時期に差しかかっているため、正しい国家指導者を選ばなければならない。そのために二〇一〇年選挙が不正や欺まんに汚されず、真に国民の意志を示すものとなる必要があるのだ。(5日・インクワイアラー)

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