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3月13日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 533字|2006.3.13|社会 (society)|ハロハロ ]

 この国のブーゲンビリアは、日本ならさしずめ四月から六月にかけて咲くツツジのような身近な花木。ほぼ一年中咲いているが、最も色鮮やかなのは三月から五月で、今がシーズン。三枚の花びらのように見えるのは苞(ほう)で、中南米が原産地。この花を堪能できる「ブーゲンビリアの町」がラグナ州にあると聞いて出掛けた。

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 フィリピン大学の分校があるロスバニョスの東隣のバイ町。ラグナ湖の正式名称「ラグナ・デ・バイ」のもとになった湖畔の町。九世紀ごろ、中国の交易船が出入りして栄えていたそうだが、今は、二枚貝を削ったカピス窓の古びた民家があるだけで、往時の姿はない。しかし、パグサンハンに通じる国道の両側に奥行き十メートルばかりが「店先」のガーデンショップが約一キロ続き、燃え立つような深紅、赤紫、ピンクの花が風に揺れていた。

 ところで、元々「バイ」のつづりにBae、Baiの二つがあった。それが米植民地時代にBayに統一されて、湖名も「ラグナ・ベイ」になったという。地元の人によると、Baiにはさらに、土地に住む三人の王女の頭文字という説とマレー古語で母親を敬愛する言葉とする両説があるそうだ。ブーゲンビリアが縁で、思いもかけず、この国では少ない歴史の古さを感じた。(濱)

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