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4月4日のまにら新聞から

断固として壊滅せよ

[ 692字|2005.4.4|社会 (society)|新聞論調 ]

ミ島のテロ訓練地

 治安当局はテロを警戒し、テロリストの摘発を続けてきた。しかし、先の連続爆弾テロが証明するように、どんなに警備を強化しようとテロ実行はわずかな人数で可能だ。また、テロリストが逮捕されても、組織はそれに代わる人員をすぐに補充し、爆発物の訓練を施すことができる。

 テロ組織が、テロ遂行能力を持つ人員をいつでも容易に得ることができるのは、比の「裏庭」で新人メンバーを訓練できるからだ。国際テロ組織、アルカイダと密接につながる東南アジアのイスラム系テロ組織、ジェマ・イスラミヤ(JI)は、ミンダナオ地方で長年比人やインドネシア人メンバーを訓練してきた。

 訓練キャンプは、イスラム急進派、モロ・イスラム解放戦線(MILF)のメンバーが守っているとされる。政府と和平交渉を進めるMILF指導部は、二〇〇〇年に政府が訓練キャンプのあった最大拠点を陥落させて以来、JIの訓練は行われていないと否定。しかし、国軍などの情報によると、訓練は依然、MILFの複数の拠点で続いている。

 MILFは、訓練が現在も行われているとすれば、指導部に従わない反乱分子が関与しているに違いないと主張する。だが、反乱分子と正規メンバーの違いは、MILF指導部だけが判断可能だ。

 シンガポールの内務相はこのほど、比南部の訓練キャンプを壊滅すべきと警告した。アフガニスタンのタリバン政権の崩壊で、ミンダナオが新たな世界のテロ訓練センターとなり、テロの輸出が懸念されている。現に、インドネシアのテロ犯らは比で訓練を受けたと供述している。政府は最悪の事態を防ぐため、断固としてこの脅威に対処すべきだ。(3月30日・スター)

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