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2月21日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 500字|2005.2.21|社会 (society)|ハロハロ ]

 マニラ首都圏のカラオケで働いていた知り合いの女性が昨年、初めて日本へ出稼ぎに行った。六カ月の労働の感想は「日本はきつすぎる」だった。男たち相手のホステス商売。もう、行きたくない。フィリピン帰国後、そう連絡してきた。

 稼いできた十万ペソに届かぬ金が実家の借り換えや弟の警察沙汰の後始末などで消えてしまうと、もう収入のあてがなくなった。やむなく再度の日本行きを志願したが、例のエンターテイナー入国制限に引っかかった。なんとか二月末までに行けそうとマニラ首都圏の友人宅で待機していたが、プロモーションから「トラブルがあって延期」と無残な通告があったという。やむを得ずカラバルソン地方の実家へ帰って行った。「この国でサバイバルは大変。神には祈っているけど」と悲壮だった。

 やっと覚えたカタコト日本語で「どうするかな」「お金があれば、学校へ行ってケアギバーになりたい」「日本より、英語の通じる国で働きたい」と、思いは乱れているようだった。背中に一家の生活がかかっている。日本が実施した入国規制強化のとばっちりだが、こういう海外就労者(OFW)がどちらへへさきを変えるのか、気になるところだ。(紀)

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